仕事を楽しむと結果が伴うことを知る

最終更新: 2019年9月29日

 さて、今回は再就職先での仕事について書くことにしましょう。

何をやっても長続きせず、職を転々としてきた私ですが、新しい職場ではじめて仕事に対してやりがいを感じることになるのです。


 2006年10月に私が就職したフォトスタジオでの最初の雇用形態はアルバイトでした。

6ヶ月の試用期間を経て、能力と勤務態度を考慮されたのちに正社員へ登用されます。

実務経験が全くない私でしたが、当時は結婚して家庭をもっていたこともあり雇用主の温情でアルバイト期間中は破格の時給にしてもらうことになりました。


その額、時給1000円


営業マン時代は月給を月の合計労働時間で割ると国が定める最低賃金をはるかに下回る金額で働いていた私にとって、時給1000円というのは大満足の金額です。

そしてどんなに働けど20万円そこそこしか稼げなかった私が数ヶ月後にとんでもない金額を稼ぐことになるのです。


 私が担当する仕事は七五三と成人式のアルバム編集なのですが、自分が働くフォトスタジオ内で撮影された写真の編集は一切しません。

これは写真撮影業務以外に、外部の写真館で撮影された写真をアルバムに製本する業務もおこなっていたので、私はその為のレイアウト編集を担当することになったからです。

編集する為の素材はすでにPhotoshopにてテンプレート化されたものが存在するので、外部の写真館の担当者が記入したレイアウト指示書なるものをもとにPhotoshopで作業していきます。

編集作業は至って単純で、指示書を見ながらお客様の名前を入力し、指示書に記載されている写真番号と同じ番号のデータをテンプレートの枠内へ当てはめていくだけです。

些細なものですが、この作業でセンスが問われるところは、指示された表紙写真をはめ込んだ時に気持ちのいい位置にお客様の名前を配置すること。

また、編集しやすいように、予めカメラマンは少し余白がある状態で撮影してくれているので、枠内にベストなサイズで拡大してはめ込むこと。

こんな簡単な作業でも最初のうちはベストな位置と大きさというものが分からず、先輩方は1件あたり15分程度でレイアウトを終えるのに対し、私は1時間近くかかってしまいます。

そして、編集後の先輩のチェックでも誤字があったり、テンプレートに写真がはまっていなかったりと、当たり前のことがまともにできませんでした。


それでも入社して2週間経った頃には少しずづ要領を得てきたのか、単純なミスは少なくなり作業スピードも上がっていました。

ちょうどその頃は七五三詣でと成人式の前撮りが重なるシーズンで、編集の仕事がどんどん増えていく時期でもありました。

私以外の社員は全員フォトグラファーなので、日中は撮影のため外出することが多く、帰社してから私が間に合わなかった編集作業を助けてくれるのですが、それでも発注される数に対し編集が追いつかないので自然と残業が増えていくのでした。


11月も後半に入った頃には作業終了時刻は日付をまたぐことが多くなり、1日の平均労働時間は14時間を超え、もはや寝る為にだけ家に帰るような毎日でした。

今の私からすれば、単純で退屈なレイアウト編集作業でも大好きなPhotoshopを使ってデザインする仕事は当時の私にとっては最高に楽しく、とてもやりがいのあるものでした。

そして、この時はじめて仕事をしていて時間を忘れてしまうという感覚を覚えたことは今でも忘れません。


編集作業の量がピークを迎える12月には「納期を守る」という責任感が生まれたのか、自ら休日返上を会社に申し入れ、その月は28日出勤してしまったのです。

営業マン時代は仕事に行くのが嫌で仮病を使ってサボったりしていたのに、自ら休日返上して仕事をする日がくるなんて思ってもみませんでした。


もちろん、頑張った翌月の給与は期待せずにはいられません。

ドキドキしながらタイムカードをもとに計算してみると、その額なんと35万円!

時給制のアルバイトだったということもありますが、営業マン時代の収入をはるかに超えてしまったのです。

私にとって仕事であるレイアウト編集はパズルを組むのと同じ感覚で、ストップウォッチ片手に昨日より1分早く編集ができた!などと仕事と言うよりはゲーム感覚に近かったのもあり、苦ではないどころか日々成長していく自分を目の当たりに出来るうえに、楽しい時間を過ごしてお金がもらえるなんて最高じゃん!とさえ思っていました。

 

 年が明けて編集の量も落ち着きまったりと仕事をしていた頃、ある日突然、雇用主から予期せぬ業務命令が私にくだされるのでした。


それは某有名無料クーポンマガジンの撮影。


働いていたフォトスタジオは当時、そのクーポンマガジン浜松版の撮影を一手に引き受けていたことを入社した時から知ってはいたのですが、カメラについては全くのど素人である自分にまさか撮影担当が振られるなんて思ってもいませんでした。

生まれてから触ったことのあるカメラといえば俗に言う、使い捨てカメラくらいで私にカメラを与えるなんて、猿に飛行機のパイロットをやれ!と言っているようなものです。

もちろん最初はできないと断りましたが、研修はしっかりやるし最初のうちは先輩が同行してくれるから大丈夫だ!と押し切られ、もはや選択の余地なく有名無料クーポンマガジンの撮影を担当することになってしまったのです。


そう、こうして私は自分の意思とは全く関係なく、少しづつ写真撮影の世界に足を踏み入れていくのでした。


つづく


次回は、大手企業のスケールの大きさを知ることになる撮影研修について書こうと思います。


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