前回のブログではGRAPHYS開業当時のことを少し書きましたが、今回はそれよりもずっとずっと前にさかのぼり、私が写真を始める以前の頃に触れることにします。
高校を中退し、やりたいことが見つからないままの10代と20代前半は働く=お金を稼ぐということでした。
仕事にやりがいも見出す訳でもなく、いかに楽をしてお金を手に入れるかということにだけ執着していた結果、様々な職を転々とすることになります。
製造業、お茶工場、寿司職人、引っ越し業者、派遣での工場でのライン勤務など3ヶ月から長くて半年持てばいいほうで、全くといっていい程どれも長続きしませんでした。
それも全て自分がやりたいことではなく、単にお金の為だったからで自分のなかでやりがいを感じることは一度もなく混沌とした月日を過ごしていました。
唯一少しだけ楽しかったのが営業職、というのも営業はノルマというものがついて回るので結果を出した時はお金をいつもよりたくさんもらえたからです。
とは言っても営業職も長続きはせず、医薬品や派遣業、看板セールスや怪しい海外の掃除機を売るものなど様々なジャンルを渡り歩いてきました。
特に人と喋ることが好きな訳でもなかったので一番苦痛だったのは一般住宅への飛び込み営業だったのを今でも覚えています。
当時許されていた飛び込み営業は、ピンポンを押してドアを開けさせ(ここまでも一苦労)全く欲しくない物を実演や丁寧な売り文句で30分〜1時間で買わせてしまうという、なんとも困難な仕事でした。
先輩たちは外に出れば毎日売上げを立てて帰ってくるけれど、私はほぼ売上げがゼロの毎日で会社に帰ってきてはロープレなる居残り練習を深夜遅くまでさせてられていました。
ここは自分には合わないと勝手に決めつけ、すぐに辞めても結局ほかの営業職につき、またそこでも同じことの繰り返し。
そんなこんなしているうちに数ヶ月ごとに勤め先を変えていたとはいえ、数年が経つと自然と多くの営業ノウハウが身についていたのです。
そうすると営業成績も少しづつ上がっていき結果が伴ってくるようになりました。
要するに様々な営業ノウハウを学んだことで私は人の心を掴む、そして人の心を読み取るプロになったという訳です。
そんな対人のプロが写真撮影の技術を習得したら怖いものなんてありません。
あとは順風満帆に写真業を突き進むだけのはずでした。
つづく
次回は、営業職からフォトグラファーへの転身について書こうと思います。
GRAPHYS Sugise
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