ダメ営業マンの末路と転換のきっかけ

最終更新: 2019年9月24日

 前回は私が写真を始める以前のことについて触れました。

営業職を転々とする中でも現場での経験や先輩方の教えのおかげもあり、人の心を読み取るプロになったという内容でした。

今回は営業職からの転換のきっかけについて書いてみることにします。


 時は2005年、当時勤めていたのは日系ブラジル人を専門に扱う派遣会社でした。

朝晩は工場へ派遣している日系ブラジル人の送迎、日中は中小企業や大手を問わず、企業へ飛び込みで営業をする毎日。

入社して半年が経った頃にはある程度結果も出せるようになっており、静岡県と並んで日系ブラジル人が多い群馬県を含む北関東へ顧客の新規開拓の為に単身で半年ほど赴任することになりました。

しかし、その単身赴任が私の人生を大きく変える結果になってしまうのです。

北関東支社は社長が以前お世話になった先輩である70才過ぎのおじいさんと私の二人きり。

社長の目が届かない場所での営業は私にとってまさに天国そのもの、もともとサボり癖があった私は閃いてしまったのです、最高のサボり方を。


 そもそもが飛び込み営業なので突然押しかけても担当者に会うことすら難しいのですが、そこは今まで様々な業種で得た嗅覚と営業経験値があります。

まず、企業の佇まい(外観)を見ただけで担当者に会いやすいかどうかの検討はつきますし、どの部署のどの人に声を掛けると担当者まで辿りつけるかもおおよそ分かっていました。

そうして手に入れた担当者や責任者の名刺は企業訪問を主とする飛び込み営業マンにとって毎日の仕事の成果に直結します。

一度訪問して契約になることはごく稀なことで、その日仕事をちゃんとしていたのか、してなかったのかの社長の判断は名刺の数でした。

一日の業務を終えたら社長にFAXで日報と共に、その日交換した名刺をコピーして送るのですが、ここで悪知恵が働いてしまったのです。

それは当日実際に手に入れた数より少なく報告し名刺をストックしておくことです。

それを何日か続けると、もらった名刺はどんどん溜まっていきます。

そう、私が考えついた悪知恵とはストックした名刺を翌日以降の報告に使用するということした。

そうすることで半日くらいサボっていても丸々1日仕事をしたことにできてしまうのです。

そのようなトリックを駆使して作った時間は、当時趣味でもあったトレーニングにあてるべくフィットネスジム通いに費やしていました。

サボる楽しみを知ってしまった私は、企業への再訪問は名刺をもらえないから行くこともしませんでしたし、1枚でも多く名刺を手に入れる為に企業に長居をすることもありませんでした。

いつしか本来の目的である契約をとる!から、名刺交換をたくさんする!に変換してしまっていたのです。


 二人きりの支社で、私がそんなダメ営業マンのお手本のような日々を過ごしていたらもちろん結果なんて出る訳がありません。


赴任から半年後、北関東支社は閉鎖、私は解雇。


もちろん当然の結果です。

今でこそ絶対にやっていけないことだと分かっていますが、当時はそんなことに気がつくことすらなく過ごしていた為に、みごとに誰もが予想できる展開になってしまったのです。


こうして2006年3月から私は情けないことに無職になりました。

そして、いつもの職安。

分かる人には分かると思うけど、職業安定所は行くだけで気持ちが萎えてしまいます。

明るい未来が待っているはずなのに来所してくる人の顔は誰もがどんより。

あの雰囲気は独特で本当に苦手です。


と、失業保険申請の為の面談で担当者から聞いたことのない学校を紹介されたのでした。


その名も「職業訓練学校」。


職業訓練学校は主に失業保険を受給している求職者を対象にした訓練や講座のことを指します。

訓練を通して就職のためのスキルや知識を習得することを目的とし、 テキスト代などは自己負担なのですが、受講自体は無料で受けられます。

しかも失業保険を受け取りながら、新たな職に就くためのスキルを身につけることができる公共の制度です。

当時、若年であり職を転々としていた私が受けられる失業保険は3ヶ月。

職業訓練学校に通えば倍の6ヶ月受けられることができる上に比較的専門的なスキルが身につくなんて行かない手はない!

しかも、入学できるのは4月と10月の年2回しかないのに今は3月に入ったところ。

見事なまでの奇跡的なタイミングで、もうこれは入学するしかないと意気込んで数ある中から私が選んだ学科はデザイン科。

そこは新たな出会いと、私にとっての第二の人生が始まる場所になるとは予想すらしていませんでした。


つづく


次回は、職業訓練学校時代ついて書こうと思います。


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